現代かわら版

現代かわら版 シリーズ「京都雑見 (6)」 by-KEI
(バックナンバー掲載分)

京都は優良企業の宝庫である。それも、みな個性的な企業である。有名なところでは、「御三家」がある。京セラ、ローム、村田製作所の電子部品メーカー3社のことである。この3社、周知のように日本を代表するエクセレント企業、超優良企業である。そして、なんといっても個性溢れる企業である。他の地域では存在しえない企業といってもよい。
こうした「個性的」で「優良」な企業が、京都には御三家のほかにも相当数存在する。少し名前をあげてみても、まずファミコンの任天堂(実質的には日本一の高収益企業であり金持ち会社といってよい)、また独自のM&Aなど積極経営を展開し、近年業容を急拡大した精密小型モーターの独占的メーカー、日本電産、反対に京都では名門ベンチャーとして老舗の部類に入った旧立石電機、現在のオムロン、さらには本を出せばベストセラーになる名物社長を抱える堀場製作所、地味ながら堅実な経営で定評ある電子部品メーカー、ニチコン、更に毛色は少し違うが、ワコールなども京都の企業である。島津、湯浅など、典型的な老舗企業も京都を地盤としている。
このように、メーカーを中心に、個性的優良企業をあげることに困らないのが京都の経済風土といってよい。それと同様、またそれ以上に、京セラの稲盛和夫氏、任天堂の山内溥氏、日本電産の永守重信氏、堀場製作所の堀場雅夫氏、ロームの佐藤研一郎氏など、名経営者の「名産地」といってよい面もある。

ここで観点を変えてみたい。これら優良企業のメーンバンク、取引行はどこだろうか。調べてみたら面白いことがわかった。京都の代表的優良企業、京セラ、ローム、任天堂、日本電産、ニチコン、堀場製作所などのメーン、サブメーンとして、前稿で述べた京都で唯一の地銀、近畿で最大級の地銀、京都銀行の名前があるのである。地銀が、これほどの優良大企業のメーン、サブメーンになっているのは珍しい。加えて、京都銀行は、これら優良大企業と、長い時間をかけて、独自の関係を築いてきた。

■■■ (C) 2006 keioh Corporation. All rights reserved. ■■■