現代かわら版

現代かわら版 シリーズ「京都雑見 (4)」 by-KEI
(バックナンバー掲載分)

史上最大の信用金庫破綻は、どこの地域のなんと言う信用金庫か、読者の皆様はご存知だろうか。多分、埼玉の小川信用金庫の破綻を思い浮かべる方が多いのではないか。

 

小川信金は、埼玉県では、上位信金の一角を占めていたが、昨年初め破綻し、今年度に入り埼玉縣信金に営業譲渡という形で吸収され、姿を消した。資金量7000億円に達する、全国的にも上位にランクされる埼玉県西部地区においての最有力信金であったが、不良債権の重圧に耐え切れず破綻していった。地元では相当話題になった破綻であった。


しかし、小川信金破綻は、史上最大の信金破綻ではない。それは、「信金王国」・京都で起った、京都みやこ信用金庫の破綻である。京都みやこ信金は、伏見信金と西陣信金が合併して出来た信金で、資金量は1兆円を誇るという、「大信用金庫」である。それがにわかに昨年破綻し、今年から京都中央信用金庫(前稿でのべた京都最大の信用金庫である)に営業譲渡という形で吸収されたのである。丁度、小川信金破綻の際の埼玉縣信金の役割を、京都中央信金が果したといえよう。ただし、京都の事例のほうが、規模が大きく、この合併により京都中央信金は資金量3兆円という、「ガリバー信金」になったのである。


では、この超巨大信金、「京都中央信用金庫」とはどのような信用金庫かというと、地域密着、狭域高密度経営の見本のような信用金庫である。店舗の大半を京都市内に集中させ、くまなく店舗を張り巡らしているのである。このことは、京都市内を車で走った時も実感した。どこにでもある、というのが正直な感想であった。それは、もう一つの京都における信金の雄、京都信用金庫と比べてみても、その感が強かった。営業振りも、革新的な新機軸を打ち出す、京都信金に比べると、オーソドックスといわれ、地味で堅実というのが業界における評価の通り相場になっており、経営基盤は堅実で、京都信金は好敵手となっている。

このように、京都金融界は「信金王国」となってはいるが、見落とせない有力地銀も存在する。 

■■■ (C) 2006 keioh Corporation. All rights reserved. ■■■